WHO認知症ガイドライン2019ではエビデンスが信頼できないとある

参考:WHO認知症ガイドライン(PDF)

古今東西の脳トレの認知症予防の臨床試験と医学的根拠を照らし合わせて、2019年にWHOが発表した内容は、「エビデンス低い」「推奨度は弱い」でした。 何百もの臨床試験の内容は、「脳のエクササイズ」「楽器の演習」「記憶」「学校での子供への支援活動」など様々な脳を実際に使う学習でした。

認知症の脳トレの効果として計測される指標は、「実行機能」「注意」「記憶」「言語」「処理速度」などです。 数百の臨床実験をしているので一部の人が一部の認知機能の改善が見られたのはあります。 しかし、一部であってそれが偶然なのか信頼できる根拠があるのか、示されたものは一つもなかったとのことです。

WHOだけでなく、脳トレは認知症予防にはならないと断言している機関は多数あります。 一番の根拠として最新の2019年のWHOの情報をまず述べさせてもらいました。

パズルの脳トレでは認知症予防にならないと研究発表

参考:脳トレは知力低下に効果なし? 英研究

年齢とともに脳を使わなくなると衰えが加速するというのは間違いであるとしてます。 イギリスで64歳以上の498人を対象に15年間実験した結果です。 今回はクロスワードパズルを脳トレとして実験した認知症予防の結果で、初めて大々的に効果がないと言い切ったものです。

認知症予防のアプリがアメリカで詐欺だと2億円の損害賠償請求を払う

参考:Lumosity To Pay $2 Million(英文)

アメリカの脳神経学者が開発した、認知症予防の脳トレのアプリが誇大広告であると損害賠償で2億円を支払うニュースがありました。 スマホのアプリで日本でもAppStoreからダウンロードして利用できます。 利用者は10年間で世界で1億人のようです。 無料ではなく月額で500~800円(キャンペーン等で変わる)掛かるもので、クロスワードパズルやデザインや動き、週5日15分ずつ10週間行うと認知症が改善されるというものです。 公式サイトには科学的エビデンスの説明も付しています。

参考:Lumosityアプリ(日本語)

このアプリの業界はアメリカでは2012年には1,000億円の売上を上げたようです。 2016年に「根拠のない主張で消費者を欺いた罪」で2億円の賠償命令が下り、且つもっと簡単に契約をキャンセルできるよう改善命令も下されました。

脳年齢は萎縮状態を脳ドックの検査でしか分からない

脳年齢を若返らすとか、現在の脳年齢は60歳とかありますが、脳年齢という医学的エビデンスはありません。 認知症になると脳が委縮するので、MRIによる画像解析とVSRAD(早期アルツハイマー型診断支援システム)というソフトで、「0or1or2or3」で萎縮を判定します。 1以上だと萎縮していると判定されます。 脳の萎縮が即陽性ということにはならず、アルコールが原因であったりしますので、問診と合わせて一つの要素として参考値とされます。 脳トレで脳年齢を若返らすという認知症予防の書籍やゲームがありますが、脳年齢という言葉自体が存在しないものなので効果が無いものになります。

脳トレという行動自体が意味をなさない

参考:「脳を鍛える」という幻想

認知症予防に効果がないだけでなく、脳トレは一時的に血流を増やすだけで全く意味をなさないというの意見が多いです。 日本で脳トレのゲームを開発した脳研究者の川島隆太氏は、ゲーム中に脳をMRIで測定すると血流量がアップしていることが根拠であるとしています。 脳の血流量はゲームを辞めてしまえば元の状態に戻ってしまい、訓練された分が積み重なる訳でもあありません。 1万人の実験で判明したことは、クロスワードのような脳トレを行うとクロスワードのゲーム自体は上手になるが他の認知症の機能の改善にはならないとのことです。 つまりは、脳トレを繰り返ししてもそれだけが上手になるだけで、脳全体に良い作用を及ぼすわけではないということです。

【まとめ】

日本の国立長寿センターの「コグニサイズ」という認知症予防のマニュアルにも運動療法はありますが、脳トレは記載されてません。 また民間療法でアメリカで有名になった「リコード法」にも脳のエクササイズは存在してません。 一見すると訓練することで記憶が薄れるのを防いでくれるように思ってしまいがちですが、エビデンスは低いという声が多いのが現状です。

大学病院の認知症の治療を検索しても脳トレという言葉が出てくることはありません。 信頼できる病院ほど治療が難しいのを知っている為、病気の確定をする検査はしますが根本治療は別の所になります。 高齢者が集めるデイケア―や施設でのレクリエーションのメニューで、認知症予防の脳トレのようなものはありますが効果は定かではありません。

日本の脳トレのアプリは海外の脳科学者が作成したものが多いです。 営利目的の意識が日本より強く脳トレの市場が大きいからです。 数独やクロスワードなどは暇つぶしで行うのは良いですが、脳に効果があるわけではありません。

認知症の進行を遅らせれる研究論文を探しました

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